カゲロウ日記

日々の徒然。

倉敷旅行記

”僕が旅に出る理由は大体100個くらいあって~”
今回の旅は2泊3日。主な目的地は3つ。岡山県倉敷市(大原美術館)、広島県尾道市(千光寺)、尾道からしまなみ海道を自転車で渡り、瀬戸田市(海と平山郁夫美術館と温泉)。


・1日目(8.9.2011)
岡山県のバス会社が運行している両備バスを利用した。学割でなんと難波(大阪)ー倉敷(岡山)往復4000円。朝7時45分発で11時57分倉敷駅西口着。
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なんとも可愛らしい駅構えである。駅で観光マップをもらって、いざ倉敷散策へ。
12時の文字盤が目に入る・・まずは腹ごしらえ。駅から陸橋渡って左手の商店街で見つけた看板 「倉敷名物 ふるいちのぶっかけうどん」  よし、入るか。
http://www.marubu.com/
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店内は地元の常連さんと観光客半々くらい。注文後すぐ出てきて、うどんにもこしがあって美味しかった。

折角なので、商店街を散歩しつつ倉敷美観地区へ向かうことにする。商店街の多くの店の窓に、地元の小学生の夏休みの宿題と思われる習字や絵が貼ってあって、とても和やかな雰囲気。
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倉敷美観地区の本町通りを歩いていると見つけたお店「倉敷クラシカ」。
気になったのが、看板の赤い文字。「店内で手紙が書けます」
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あいにく私が行った月曜日は定休日だったのだが、このお店に関するよいブログをのせておく。
「倉敷クラシカ」の情報
http://mukeifont.exblog.jp/15515039/
どうやらレトロ雑貨屋さんで、お店の隅に木製の机があって、そこからポストカードが出せる模様。次回行く機会があれば是非小さな机に腰を据えて、大切な人に旅のつれづれを書きたいと思う。

倉敷は、とても自転車が似合う町。こじんまりと軒を連ねる家と、乗り古されてぽつんと止まっている自転車を見ながら散歩しているだけで、タイムスリップしたような感覚になる。
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階段の擦り減り方や屋根の歪み具合に、歴史を感じる。

道草を食いながらも、ようやく白壁の美しい倉敷美観地区へ到着。(普通に歩くと、倉敷駅ー美観地区徒歩15分)豊かな水路に恵まれ、江戸時代から商人の町として栄え、今でもその当時の白壁の屋敷や蔵が残っている。
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着いたらまず立ち寄るとよいのが、橋(上写真奥)そばにある白い建物、倉敷観光案内所。船の乗車券(300円)を買うもよし、周辺地図をゲットして探検の概要を決めるもよし。

川沿いを歩いていくと、今日の一番の目的地、大原美術館が見えてきた。

大原美術館は、倉敷生まれ、東京芸術大卒の児島虎次郎がヨーロッパから収集したコレクションが集まる美術館。1300円(大学生は800円)で、大原美術館の3つの館(本館/分館/工芸・東洋館)と児島虎次郎記念館の合計4つの施設に入ることができる。
本館は、モネ、ドガ、ピサロといった印象派が多くシックな印象。分館は現代美術が揃っており、1つ1つの作品が大きくインパクトがある。工芸・東洋館は各国の昔のフリーマーケットを集結させるとこうなるだろうな、という感じ。雑多で、アジアの陶器からアフリカの壺まである。東洋館の2階は冷房がなく、埃っぽくて、時が止まっているような気がした。
児島虎次郎記念館は、大原美術館から5分くらい離れたアイビースクエアという建物の中にある。虎次郎氏は5年間渡欧していたそうで、作風もどこか日本離れしている。目にささる位眩しい色とりどりの花、そのカラフルさに負けじと迫ってくる緑の葉、そして大ぶりな花柄の衣装を纏った少女。どれも主張しあっているのにどこか物悲しい印象も受ける彼の絵。

「児島虎次郎 朝顔」の画像検索結果
児島虎次郎「朝顔」
ここはどこだ。洋風のガーデニングに、浴衣の少女。この違和感に吸い込まれるように、絵の前に立ち止まって見てしまう。大体この少女も違和感の固まりである。まず、”ふつう”の少女はじょうろをわしづかみにして持ったりしない。一見ガサツなこの仕草も、かかとを伸ばして、不安定に体重を柱に任せているあどけなさに、帳消しになる。そして、目が離せなくなる。ちょうど電車の中で少し綺麗な女の子が気になって、読みかけの本を置いてしまうように。

美術館を堪能した後は、美術館隣にあるカフェ「エル・グレコ」で一休み。
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創立者である大原氏が、絵画を観た後に余韻に浸れるカフェをということでこの喫茶店が作られたそう。カフェの名は、大原美術館に貯蔵されている作品の一つ「受胎告知」の作者El Grecoから。ここのアイスコーヒーの後味はなぜか納豆だった。

旅のお供。
ハイウェイ/ くるり