カゲロウ日記

日々の徒然。

2016-01-01から1年間の記事一覧

青い鳥と孤独な土曜日

スピッツとの出会いは、大学を辞めて再受験のために半年ニート生活を送っていたときのことだ。地元の図書館のCDコーナーにあったものを手当たり次第借りていて、『名前をつけてやる』というアルバムタイトルに惹かれて手にとったのが始まりだった。当時、…

アラブ人と優雅な朝食

人種のるつぼ、という言葉がこれほどしっくりくる国も珍しい。忘年会の景品で無料宿泊券を頂き、先週ドバイのある5つ星ホテルに宿泊することになった。 朝食の席はビジネスマンやヴァケーションに来た家族らであふれ、”としまえん”になるかならないかの瀬戸…

パニック障害のあなた

ドバイは鬱病が多いらしい。診察室には真面目そうな欧米系サラリーマンたちが待機しており、私は鬱病になった友人を見送った。中東の猛暑が和らぎ、ペルシャ湾から流れてくる海風が心地よい良く晴れた秋の日だった。彼は私が知る限り強靭な性質で(ノルウェ…

定時に退社してみたら世界が変わった話

思いきって17時に退社してみた。まだ日が出ている頃、海沿いの人工的な街を散歩した。となりにいつも一緒にいてくれる友人がいた。チーズフォンデュとチョコフォンデュを同時にやって一緒に胸やけした。まだ19時だね、としみじみよろこんだ。 2時間の残業っ…

ドバイのプールバーの入口の描写

10月に入りようやく日中でも外を歩ける程度の気候に落ち着いてきたので、ここ最近の週末は専らプールバーに足を運ぶ。 プールバーは、所謂バブリーでセレブリティーなマリーナやジュメイラと呼ばれる南エリアに存在する。 一方で私の仕事場 兼 住居があるク…

元日の朝の牛乳

近くのタクシー乗り場からトヨタのLand Cを拾い、久々にドバイのZero Gravity(ドバイのビーチバー)へ向かった。クールな入口には黒人のセキュリティが立ち、私は童顔のため年齢確認をされる恒例作業が加わる。一度IDを忘れて生年月日を証明できなかったと…

目の劣化

「山に登る人が時折後ろ向きに登って筋肉を休ませるように、たまに違う使い方をしないと脳もへとへとになる。」(雪雪/醒めてみれば空耳,2003-1-29) ドバイは砂漠に建った人工の街。まさに砂上の楼閣にいると、脳だけでなく目や鼻だって劣化する。 イランで…

Country of Paradox

次の日のテヘランは生憎の雨だった。 彼女(イラン人の同僚)はとてもFashionableだ。深緑のヒジャブとパンツを合わせ、深緑の石の指輪とよくマッチしている。ネイルはダークレッド。コートと鞄は黒で統一して引き算も完璧。その指輪とっても素敵ね、と言う…

初めてのテヘラン

なかなか仕事をしないコンサルから、またインシャアッラー(神の意のままに)の言葉を聞き電話で喧嘩をする。「前回依頼した調査概要はいつ出てくるのかしら?」「OKOK、インシャアッラー」、といった調子で2週間が過ぎて埒があかないので現地に乗り込んだ…