カゲロウ日記

日々の徒然。

ドバイのプールバーの入口の描写

10月に入りようやく日中でも外を歩ける程度の気候に落ち着いてきたので、ここ最近の週末は専らプールバーに足を運ぶ。

プールバーは、所謂バブリーでセレブリティーなマリーナやジュメイラと呼ばれる南エリアに存在する。

一方で私の仕事場 兼 住居があるクリークに近い北エリアはオールド・ドバイと呼ばれ、ドバイの人口の7割を占めるインド・パキスタン人労働者が多く住むエリアとして、南エリアとは全く様相の異なるディープな雰囲気だ。インド人に囲まれてTシャツ一枚で残業飯を食べていると、本当にドバイにいるのか疑わしくなる。

そんなわけでお洒落を気取りたいときはワンピースに着替えて南エリアに向かっていたが、最近庶民的な北エリアにも「Nikki Beach」というプールバーがオープンした。Time OutのBeach特集版に小さな広告が出ていて、気になってオープン早々足を運んだ。海沿いの牧歌的なジュメイラロードを10分程南上して、何の看板も出ていないところを右に曲がると、景色は一変して砂漠然とした、建設中の鉄格子やクレーンが散見される殺風景が広がる。ドバイの人工島といえば南エリアにあるヤシの木型人工島 「パーム」・ジュメイラが真っ先に挙がるが、Nikki Beach のある「パール」・ジュメイラも同様にドバイの人工島で、不動産事業が計画中なのだ。

バックミラー越しに見えるパキスタン人タクシードライバーの眉間の皺に「こんな所に本当にビーチがあるのか」という不信感が現れだす頃に小さく Nikki Beach⇒ という看板がで始め、3回位緩やかなカーブを繰り返すと突如、一生働いても購入できないであろうポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニ、マセラティといった超高級外車が並ぶ入口にたどり着く。(一度マセラティにタクシー代わりとして乗ってみたけれど、あれは運転を楽しむための車だ。揺れが激しく座り続けているとお尻が痛くなってくる。)

音楽の力は偉大だ。透明なドアを開けると、きらめいた音楽が飛び込み、Nikki Beach のイメージカラー、ターコイズブルーのぴったりとしたTシャツと短パンが似合う受付の美女が迎え入れてくれる非現実の世界に入り込む。横に長く広がるプールの青が広がり、インド人スタッフが常に磨き上げている真っ白なタイルが中東のギラついた太陽の光を反射している。プールを二分割するように真ん中に橋がかかり、橋の向かい側でDJがセンスの良いリズムがこちら側にBOSEのスピーカーフォンを伝って飛び込んでくる。

なんという大人の隠れ家だろう。ビーチと呼ばれる場所はドバイの土地柄無限に存在するが、レジデンス併設のビーチだと家族連れが多く、子供でごった返し、すぐに「としまえん」化してしまう。そんな中、大人の遊び場としての機能を果たす「良い意味でのチャラさ」を維持しているプール・ビーチは大変貴重な存在なのだ。